アメリカモラハラ体験記⑪恐怖…夫の顔つきが変わった瞬間。目の前でドアを叩きつけ…

モラハラ エピソード

オリバーは何かに取り憑かれたように気味が悪い人間になっていた。

 

閉ざされた家の中では、理由もなく私に対してのイライラを募らせては当たる、そんな毎日が続いていた。

 

「消えてしまいたい…」そう思いながら、文子さんと娘のおかげで何とか踏ん張ることができていた私。

 

ところが、この日から、私のオリバーに対しての恐怖はどんどん大きくなっていったのだった。

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無言でドアを閉め続けるオリバー

 

エマはオリバーに相変わらず懐いていなかった。ごくたまに一緒に遊ぶことはあったけれど、この時期は私がほとんど全て子育てをしていた。

 

 

 

この日もエマをお風呂に入れていた私。平和な時間が流れていた中、突然「バンッ!!!」という激しい音とともにドアが開き、オリバーが姿を現した。

 

 

 

オリバーは私が少しでも音を立てるとうるさい、と文句や嫌味を言うが、自分はこうやって毎回ドアを勢いよくあけては私を驚かせていた。

 

やめて、と何回言ってもやめなかった。

むしろ、やめて、というからやっているようだった。

 

 

 

立ちすくむオリバーの顔が怒っていることに気づいた私は、イヤな空気を感じたが知らぬふりをした。

 

 

 

「お前の車の止め方はひどい」

 

 

 

 

・・・始まった。

 

 

ところが、私は数日前に彼の車の止め方を見て、「アレ?これ私が止めた?」と思うくらい自分と変わらない止め方をしていたことを思い出したため、オリバーに言い返した。

 

「あんたの止め方だってひどかった。私と変わんない」

 

 

 

言い返されたことにカッとなったオリバーは怒りを爆発させて否定した。

 

 

 

そして、「お前がガレージのドアをロックしたから家に入れなかった!!」

と怒りながら言った。

 

 

そうか、私無意識にガレージ締めちゃったのね。。

 

そりゃあ短気な男ならこんなことで怒っても仕方ない。

 

 

 

 

とはいえ家のカギはあるんだし、ビルゲイツの家ならわかるけど歩いて30秒で玄関に回れる家でここまで怒るヤツいる?

 

 

 

 

…という本心を言えばどうなるか目に見えていたので、黙って「sorry」とだけ謝った。

 

 

拍子抜けしたのか、その後も話を続けたオリバーだったけれど、私は前日からの暴言に嫌気がさしていたため彼の話をほぼ無視した。

 

 

 

「エマ遊ぼう!」

 

 

 

気が向いたのか、お風呂を終えたエマを抱きかかえて出て行こうとしたオリバーに、ドアの開け方にイラっとしていた私は言った。

 

 

 

 

「次回から突然ドアを開けないで」

 

 

 

 

 

この普通のセリフにオリバーの怒りは再び爆発した。

 

 

 

 

 

「バーン!!!!」

 

エマを片手に抱っこしながらもう片方の手で扉を思いっきりたたきつけたのだ。

 

 

 

 

壊れるかのような勢いで叩きつけられたドアはそのままオリバーに跳ね返り、オリバーは跳ね返ったドアを再び「バンッ!!!」と叩きつけた。

 

 

そして、彼は交互に跳ね返る左右ののドアをバンバンバンバン恐ろしい形相で、20回以上無言で叩きつけ続けた。

 

 

 

 

一言でも何か言えば再び大きな爆弾の導線に火をつけてしまうだろう…。

 

そのドアのすぐ前にいる私を挑発するように、無言でドアを叩きつけるオリバー。私の手に当たったが、構わずに叩き続けていた。

 

 

あまりにも異常な姿に私は思わず「大丈夫?」と聞くのが精いっぱいだった。

 

 

 

 

私をビビらせて満足したのか、エマを抱えたまま立ち去ろうとしたオリバー。

 

しかし、エマは私の方に手を差し出した。

 

 

 

 

1歳のエマが怖がっている…

 

 

 

 

私でさえ怖いのだから赤ちゃんだって怖いに違いない。いつも面倒見てくれるママが怯える様子に不安になったのかもしれない。

 

 

 

「ほら、エマが怖がるでしょ!」私の方に来たがるエマを抱えてバスルームに留まった私。オリバーは私を睨みつけ、イライラしてこういった。

 

 

 

『お前が俺が最低な夫だ、俺は最低な父親だ、他の父親を探すというから見せつけてやったんだ!!!』

 

 

 

 

そんなこと言ったっけ?心の中ではいつも思ってるんだけどさ。。自分はもっとひどいこと毎日言ってくるくせにね…

 

 

と心の中で呟いてオリバーが立ち去るのを待とうとバスルームにいたが、オリバーはしばらくその場に立って私たちを睨み続けていた。

 

 

 

(気持ち悪い…!)

 

 

 

ここまで怒りをあわらにしたことがなかったオリバー。

ついに殴られるかもしれない…

 

そう思った私は黙ってその場をやりすごそうとした。

 

 

 

オリバーはしばらく睨み続けた後、言った。

 

「おまえ、また文子と会う予定なのか?」

 

 

 

 

…どうやら幼馴染の母の存在におびえているようだった。

 

 

「なんでそんなこと聞くの?」

 

 

と言うと、「教えてやるよ!」

 

とだけ言ったが、黙って睨みつけるだけだった。

 

 

 

きっと自分が悪者になっていくことに耐えられなかったのだろう。

自分は子供の前で好き放題妻へ暴言を吐き、意地悪をしていながらそれを正当化したかったに違いないオリバー。

ドアを叩いて脅かしたことが文子さんにバレたら、自分の評判はどんどん落ちてしまう。

 

 

 

ただ睨み続けてその場を離れないオリバーに「なんでいつまでもそこにいるのよ?」と聞くと「エマを見てるんだ」と答えたオリバー。

 

 

「私が見てますから。」と冷静に言うと、「そんなこと知ってる。オレは観察してるんだ」と言って動かなかった。

 

 

あまりに気持ち悪いため、私はエマを抱えてそ~っとオリバーの側を通り過ぎてその場を離れた。

 

 

 

私の心臓は高鳴っていた。

 

 

 

この人ヤバイ…

 

 

 

そんな思いしかなかった。始めは暴言さえはかないような落ち着いた器の大きい男に見えていた彼が、ひとたび閉ざされた空間に入ると暴言や嫌がらせを始める。予想もしなかった出来事にショックを受けていたのもつかの間、今度は物に当たっては私たちを怖がらせるようになったのだ。

 

 

 

 

一緒に住み始めてからたった半年足らず。怒りをあらわにするタイプには見えなかったオリバーは、私にとっては「いつ殴ってきてもおかしくない危険な男」に変わっていた。

 

 

 

私はこのことを文子さんに伝えた。

 

 

 

オリバーが何とか自分を抑えることができていたのは、唯一の友人の母の存在におびえていたからに違いなかった。文子さんがいなかったら、エマも幼いし、きっと既に殴られていただろう。

 

 

 

 

そしてついにエマにも被害が出てしまうことになる。

 

続く

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