ナルシストはこうして生まれる…子供をモラハラ加害者にしないためにすべきこと

ナルシシスト

暴言を吐いたり怒ったり無視したり…難しいモラハラ夫のナルシシスト(ナルシスト)の人格は育った環境によって形成されると言われますが、同じ環境にいてもそうなる人とならない人がいるのは不思議だと思いませんか?

 

過保護に育てられたか、ネグレクトや虐待を受けたことで大人になってナルシシストの特徴を見せるようになることがある、といわれますが、実際はそんな簡単なものじゃないと思います。

 

確かにそんな単純なものだったらその環境で育った人はみんなナルシシストになってしまってるってことになります。

じゃあナルシシストになる人とそうでない人の違いは何?って気になりますよね。自分の子供を、他人を傷つけるようなナルシシストに育てたくない、と思う私たちがそのためにしなければいけないことは何なんでしょうか?

 

アメリカのナルシシストエキスパートで心理学教授のDr.ラマニ、そして俳優のウィル・スミスが自身の生い立ちや経験から語っていたことがとても良い教訓になったので、少しむつかしい内容ですがまとめておこうと思います。

 

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ナルシシストは育った環境によってつくられる

トラウマと愛着障害

ナルシシストは幼少期~青年期、そして20代半ばまでの環境がとても大きく影響しています。

私たちの人格は生まれた時から少しずつ作られていきますが、20代半ばまでの間は脳が急速に発達していて、20代半ば頃にはほとんどできあがります。

 

ナルシシストの人格スタイルは、ナルシシストのいる環境にさらされたり、ネグレクトや虐待、つじつまの合わない言動などといった不運な幼少期の経験によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)の兆候であると提唱されています。

 

そのためナルシシズムに見られる特徴のいくつかはすべてのカテゴリーのPTSDの症状にも見られます。

 

 

ナルシシズムは愛着(絆)の崩壊と関係があります。

 

安定した愛着というものは本来なら全ての人が与えられるべきで、幼い頃に親など自分の面倒を見てくれる人、自分を愛してくれる人たちとの間にこの心の絆が作られます。そしてその人たちは自己抑制する力、がまんする力という大切なスキルを教えてくれます。

 

ただ、ナルシシズムはこういう安定型の愛着とは結び付いておらず、むしろ不安型、または回避型の愛着スタイルと結びついています。

 

不安型愛着スタイル・・・対人関係に不安を持ちやすく、相手に嫌われることを強く恐れる。

回避型愛着スタイル・・・愛着を持って近づくことを避け、他人とある程度の距離を置く。助けを求められることが苦手。

 

この結果、子供の時だけでなく大人になってからも身近な人との関係であっても安心できなくなってしまいます。

深く持続的な親密さを保つということが相対的にできないのです。

 

 

でもこれはとても厄介です。トラウマを抱えていることや愛着障害があったといった状況で育ったからと言ってナルシシスト的な人格になるというわけじゃないからです。

 

 

こういった過去を持つ人はみんな認知的不協和があったり、正当化したり合理化したりするので、この過去を基準に境界線を引いたり距離を置いたりするというわけにはいかずとても難しいのです。

 

認知的不協和・・・自分の考えと行動が矛盾したときに感じる不安を解消するため、考えを変えることにより行動を正当化すること

 

幼少期のトラウマ、愛着崩壊がナルシシストを育てるとは必ずしも言えない、、、じゃあ他にどんなことが考えられるんでしょうか。

 

 

気性の問題

そこで今度は気性の問題が出てきます。

気性は遺伝だと考えられていて、赤ちゃんの頃から簡単にあやせる子とそうでない子がいたりします。

 

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子供の中には難しく、キレやすかったり、やたらと注目されたがったりする子がいます。

 

気性が荒いタイプの子供は育て方も難しくなります。両親にイライラされ、大人になると今度は先生にあまり好かれない…となると世間との間にネガティブな経験を積んでいくことになります。

 

 

逆に簡単に立ち直る子供の場合はずっと楽です。おそらく好かれる子供になるだろうし両親も子育てに自信が持てます。外の世界でも上手に立ち回り、楽な経験を積んでいきます

 

 

 

この気性の違いというのが、子供たちが幼少期の経験によってそれぞれ異なった影響を受ける理由の一部かもしれません。

 

 

ナルシシストである親は子供のように気性が荒いことが多く、それに加えて自分が親に放っておかれたりつらい幼少期を送ってきた過去があれば、もし自分に気性の荒い子供が生まれたら子供に対してさらにイライラしがちだからです。でも気性が荒くない子の場合はイライラをぶつけられることが少ないかもしれません。

 

 

この気性の荒い親子のコンビだった場合に、脆弱さや無効化(相手の感情を否定したり拒否したりすること)を生み出している可能性があります。

 

 

甘やかす

ナルシシストの人格スタイルがどう形成されるかと考える時、自己愛の発達は子供を過度に甘やかし続けることによって起こると考える人たちもいます。

 

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たくさんの物を与えられたり、良いところへ連れて行ってもらえたりなど甘やかされたことで感情の世界が乏しい子供たちはまるでジャンクフードを与え続けられているようです。

 

お腹は満たされてるけど栄養は足りていない、そんな状態だからです。

 

 

物質的に必要なものは育っているけど感情は育っていない、という甘やかされた子供の場合は感情を表現すること自体を恥ずかしがったりすることがあるかもしれません。

 

自己抑制する力という子供の頃に学ばなくてはいけない最も大切なことの一つを学ばないのです。

 

ナルシシストの親に育てられた場合、特権意識や怒り、尊大な態度、うわべだけ取り繕うところなどナルシシストの特徴の一部をモデリングすることで学ぶ可能性があります。

 

 

自分が繰り返し見聞きしたことを真似しているのです。

 

 

例えば、怒鳴り散らすサッカーコーチの父、店やホテルで従業員に文句を言う母、これを繰り返し見て日常的になってしまうことで、大人になってから自分がその行動を取ってしまいます。

 

ナルシシストや他の難しい人格の親は、とても最悪な境界線(boundary)を持っています

 

 

彼らは自分の情動や子供に期待することをベースに「しなくてはいけないこと」を子供に教えます。

 

例えば、子供に「ママ、私悲しいの」と言われたとき。

 

本当は「それは大変だったね」と抱きしめて慰め、どうして悲しいのかと聞いてあげるべきところを

 

 

「あなたが悲しんでると私が悲しくなるわ」

 

と言ってしまいます。

 

 

そうすると、ママを悲しませたくない子供は自分の感情がいけないものだと学んでしまうのです。

 

子供がママに感情を共有することを避けてしまうだけでなく、その感情自体がどこで終わったのか、そして他人の感情が始まったことも理解できなくなってしまいます。

 

 

ただ、こういう両親に育てられたけど、私は人の感情もわかるし、むしろ共感しやすいタイプだという人もいます。

 

このように、ナルシシストになる理由は、いろんな要素の組み合わせであって一つのパターンではありません。

 

 

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ナルシシストの条件付きの愛

ナルシシストの愛情はほとんどが条件付きの愛情です。

 

もし~したら愛してるよ、~のときは愛してるよ、というもの。

 

本来、子供は無条件に愛されるべきです。~だったら、~したら、はいらず、ただ『愛してるよ』これだけで良いのです。

それは、子供のすること全てを認めてるわけじゃないけど子供のことを愛してるということです。

健全な親は子供にきちんとしたしつけ(因果関係の説明など)をし、子供はそこからきちんとした行動を学びます。その時子供は愛されてるということを知っているので安心していられます。

 

 

でも、条件付きの愛情の場合、『この試合に勝ったら大好きだよ』『○○ちゃんが一番取ってくれたら大好きよ』となります。

 

 

子供が賞を取った時、活躍している時は最前列で応援して「見てよ、これが私の子供よ」と自慢げに話します。

 

これ自体は普通の親もすることですが、ナルシシストの親が違うのは、子供が活躍してないとき、演劇などで大した役をもらってない、一番じゃないなどのときには姿を見せないことです。

 

 

このとき、私の親なんて活躍しようがしまいが来てくれなかったから、活躍してるときだけでも来てくれればいいという人もいるかもしれません。

 

が、活躍しないと見に来てくれない、〇〇しないと応援しない、というのは子供にとってつらいものです。

 

もちろん全く来てもくれない場合、自分に割く時間さえもったいないのかと思ったりしてしまいますし、逆に必要以上に過保護の場合も危険です。

 

 

子供をがっかりさせない親

 

多くの大人が間違ってしていることの中に、子供をがっかりさせないように庇うということがあります。

子供時代は大なり小なりがっかりすることから学ばなくてはいけない時期です。

 

でも、試合に負けた、成績が悪かった、友達の誕生日会に招待されなかった、ペットが死んだ…など子供が落胆することがまるで自分のことのように思えるのでそれを避けようとしてしまうのです。

 

そこで、権利意識の強い親の場合、不正をしたり、学校や先生に高圧的な態度を取ったり、すぐに新しいペットを飼ったり、誕生日会に招いてくれなかった子供の悪口を言うなどしてしまいます。

 

子供のためにそうしたくなる気持ちはわかりますが、それは子供にとってはよくありません。

 

 

子供時代は落胆するという気持ちを調整することを、子供が安心できて愛されている環境で覚えていかなければいけません。

 

現実やがっかりすることから子供を守りすぎることは、大人になった時に自己を調整することができなくなる危険にさらします。

 

 

がっかりしないナルシシスト

私たちが知っているようにナルシシストは落胆するということはしません。
落胆する代わりに、大人のかんしゃくを3歳の子供にぶつけるのです。

 

50歳くらいのナルシシストは、外見は大人のように見えますが、それでも3歳児のようにかんしゃくを起こすのです。

 

 

ナルシシストは増えていく

ソーシャルメディアにどっぷりつかる現代では、17歳がダンスをする動画で大儲けしたりしているのが当たり前のようになっています。

 

豪華な旅行や高価なもの、世界が、そして経済が大きな変化をしています。
このソーシャルメディアの社会でナルシシズムが繁栄し、非常に悪影響を与えているのは事実です。

 

 

こういった世界で子供が育っていくということは、大人になってから一人の人間として人格に価値を見出すのではなく、賞や儲けた金額などで自分の価値を見出す大人が増えていきます。

 

多くの人が見かけによって人を判断するようになり、ますますナルシシストが増えていくでしょう。
こういう外面的要素だけにこだわっているというのは、『自信喪失・不安定さ』の表れなのです。

 

子供のころに抱える自信喪失や不安定さを見過ごしてしまうことが大人になってからのナルシシズムを助長します。

 

 

不安定で自信がないことが尊大な態度を取らせ、自己防衛させるのです。

 

 

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子供をナルシシスト(ナルシスト)にしないために

子供が将来、傲慢で他人を傷つけても平気な子になってしまったら嫌ですよね。

 

ナルシシストがどうして生まれるのかは様々な要素の組み合わせ、といってもやはり大きいのが親の育て方です。

 

 

ナルシシストは共感する力がありません。だから他人を傷つけても利用してもなんとも思いません。そしていつも話をするときは『オレが…』『私が…』が主語になっています。

 

 

ということは私たち親が子供に教えなければいけない大事なことの一つは「共感力」

 

共感力のある人は人望がある、と言います。

確かに、他人のことを思いやる人、理解してくれる人は人から好かれますよね。上司がそうならこの人と一緒に働きたいと思うし、友達だったらいろいろ相談したくなるし信頼します。

 

 

私はナルシシストってお金持ってても人望ないな…と思ってましたがナルシシストの人脈って信頼関係の繋がりじゃなくて金や利害関係の繋がりが多いので、それがなくなれば人がサーっといなくなるパターンが多かったりします。

 

 

私たちは共感する能力を持って生まれるものの、共感力は学習して身に着けていくそうです。

この共感する能力を高めるには

 

  • 泣いていたり怒っている友達の気持ちを想像させる※
  • 本を読んで、登場人物の気持ちを想像させる
  • 子供の気持ちを言葉にする
  • 自分自身がお手本となる共感力を見せる(ママ友など他の人との会話)

※これは小学校高学年以上が良いそうです。小さな子供には自分が大好きな人(両親など)が○○されたらどう思う?と聞くのが良いとのこと。詳しくはこちら

 

そして、前述の例のように『私、悲しいの』という子供のありのままの感情を否定しないことも大切です。

 

 

嬉しい、楽しい、などポジティブな感情は受け入れてあげられるのに悲しい、大嫌い、疲れた、などネガティブな感情は「そんな風に言わないで」「そんなことないでしょ」って思わず言ってしまったりします。

 

そうすると子供がネガティブな感情は悪いものだと思い、表現しなくなるうえにポジティブな感情にも鈍感になってしまうのだそうです。

 

これは本当に気をつけたいですね。

 

 

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ウィル・スミスの体験から学ぶ

wikimedia

 

俳優のウィル・スミスはみなさんも知っていると思いますが、私はこの人ってハリウッドで大成功してるセレブと思えないくらい気さくで優しい人で好感持てるなーと思っていて好きな俳優です。

 

 

サービス精神旺盛で、面白く才能もある人、家族やファンを大切にする人…そんなイメージが大きくて、評価も安定しています。3年前から始めているYouTubeで動画115本しかあげていないのに907万人も登録者がいるのはいくらセレブといえ珍しい存在じゃないかなと思います。

 

でもこのサービス精神旺盛なキャラの本当の理由は母親を守りたかったという幼少期の体験からなのだそうです。

 

 

空軍にいたという父親は、とても賢い人で子供たちにいろいろなことを教えてくれた一方で怒ると母親に暴力をふるう人だったのだそうです。

etonline.com

 

それを見てしまったウィル・スミスは自分は父より立派な父親になる、と10歳の頃に既に思っていましたが自分が24歳で父親になったとき、キャリアと結婚生活の両立が難しく、口論が絶えなくなってしまい始めの妻と離婚。その後ジェイデンとウィローが生まれてからウィル・スミスは理想のパーフェクトな家族を作るために長男トレイと一時期絶縁状態でした。

 

 

それを修復しようとしたのが今の妻のジェイダさん。そこからウィル・スミスと長男トレイの関係はよくなり、今はジェイデンやウィロー含め一家ととても仲が良いんだそうです。

 

 

このウィル・スミスの離婚、再婚、子供の養育、はとても学ぶものがあります。Red table talk動画でジェイダとウィル・スミスが詳しく語っているんですが、この中でウィル・スミスが語っていたことの中で印象的なセリフがありました。

 

my desire for her was overriding her desire for her. (僕の彼女に対する欲求が彼女自身の欲求を踏みにじっていた)

…how bad the person will hate you if you keep forcing your wishes onto their life.

(彼らの人生に自分の希望を押しつけ続けると相手にどれだけ嫌われるか…)

 

 

ウィル・スミスは父親に規律と勤勉という軍人スタイルの生き方を教わってきたので物質的には大成功したけれど、そのやり方はウィローには通用しなかったそうで、彼女は9歳で歌手デビューして大成功したにもかかわらずアッサリそのキャリアを捨ててしまいます。

 

そして11歳の時には頭を丸坊主にして世間、そしてウィル・スミスを驚かせました。『Whip My Hair』という髪の毛をぶんぶん振り回すパフォーマンスで大成功した後だけに、これは自分への抗議だとウィル・スミスは感じたそうです。

 

 

自分が子供にして欲しいことを押し付けつづけると子供はいつか自分の気持ちを無視されているっていう不満を爆発させ、親を嫌うようになる…とそこから子供たちの意志を優先するようになったとのこと。

 

 

そしてもう一つ、ウィル・スミスは誰からも好かれているように見えますが、彼を憎んでいた人がいます。

 

 

それがウィル・スミス主演の『The Fresh Price of Bel-Air』で共演して以来、20年以上犬猿の仲となっていた女優のジャネット・ハーバートです。ジャネットがウィルのジョークに笑わなかった、といって番組降板になったことがきっかけだったそうです。

 

 

 

そしてついに二人は和解したんですが、そのときの様子をウィル・スミスがDr.ラマニと対談していた会話の中で

「何千時間ものセラピーを受けたりした中で、いつも相手を優先しなくてはいけないということを学んだ」と話していて、

 

「(問題を)探し、相手を理解する、それから自分を理解してもらう」

まずは相手の気持ちを話してもらうように心がけるようになったのだそう。

 

 

始めに自分のことばかりまくし立ててしまえば、問題は解決しません。相手の気持ちを先に聞いてからそれを受け止め、そして自分の気持ちを話すようにする、これは大人はもちろん、子供に対してもそうあるべきじゃないかなと思いました。

 

 

子供のポジティブ、ネガティブな気持ちを全部聞いてまずは受け止め理解するっていうのは忙しい時には忘れてしまって始めからシャットアウトしてしまったりします。でもそれを繰り返すことで子供は心を閉ざすようになったり感情表現できなくなるとなると大問題です。

 

 

将来、人を傷つける人間に育てないために、子供の気持ちを受け入れて共感力を高めること、子供を無条件に愛することは最低限やるべきことじゃないでしょうか。

 

 

あまりに長文になってしまい、読んでくれる人も少ないとは思いますが、もし読んで頂けてたらありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

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