みなさんこんにちは、アメリカで離婚したアメリ子です。久しぶりにモラハラの相談をしていた時の昔のメールを見ていて思いました。「私はなんでこんな奴のことをこんなに怖がってたんだろう…」
モラハラ男と別れた人たちはきっと彼らは本当は弱い人間だと知っていると思いますが、モラハラから抜け出せずにいる時は自分自身、そして他の人からは私たちが弱い人間だと思われているように感じていたんじゃないでしょうか。
私が当時アドバイスをもらっていた人からは私は「弱い」と思われていました。
そして、確かに今と比べるととっても弱い人間でした。
もしかして、当時の私のように渡米したばかりで夫からモラハラを受けているとか、家族や親しい友人がいないところでモラハラを受けて自信を失ってしまっている人もいると思います。
きっと他人から見たら「もっと強くなりなさいよ」と思うかもしれませんが、モラハラ被害者にとっては強くなれない様々な理由があります。
今回は私のケースで、当時の私がどうしてモラハラ夫をこんなに怖がっていたのか、その理由をお伝えしたいと思います。
ちなみに、今は元夫のことは全く怖くありません。
モラハラ夫が怖かった理由
私がモラハラを受け始めたのは、渡米初日からだったため(日本にいたときは冷たい面に気づき始めたイエローカードくらい)、相談できたのは元夫の親族女性、彼の幼馴染の母くらい。日本の家族・友人には渡米したばかりで心配かけたくない、ネガティブなことを言いたくないなどの理由で相談できず。
その中でも元夫の幼馴染の母から言われたセリフの中に『あの人は弱い人を見るといじめたくなるみたい』『もっと強くならないと』『弱気を見せないこと』などがあり、彼の親族の女性からは、『オリバーは日本人の女はコントロールしやすいと言っていたわ』と言われました。
もしもこういった言葉をかけられている人がいたら、相手はモラハラ男の正体を知らないからです。彼らと一緒にいることは時に何とも言えない恐怖に襲われます。無防備な人が突然ナイフを振り回す通り魔に出会うみたいな感じです。
以下が私がモラハラ夫を怖いと思う原因となった23の理由です。相談相手はほとんど知りませんでした。
1.ガタイがでかい
元夫オリバーは身長約180cmでアメリカ人の中ではそれほど大きいわけではないですが、元軍人のため筋肉質でした。がっちりしたタイプで力もそれなりに強かったことなど見た目はケンカしたらヤバいな…という感じでした。
2.威圧的
これも当時は仕事柄だと思っていました。今となってはナルシシストだったからだと納得していますが、当時はそれを知らなかったことや彼が長年こういう威圧的な人たちに囲まれてきたからだろうな、と思っていました。
何を言っても私が彼の威圧的で横柄な態度や頑固な考え方をを変えることができないっていうことも彼の言うことを聞かないとヤバいことになる…という恐怖を煽っていました。
3.今まで出会ったことのないタイプ
私は友達が多い方でしたが、その友達はみんな話しやすくて礼儀正しく社交的なタイプ。反対にオリバーは始めは器の大きい頼れる男というイメージだったのが、実際にはネガティブで憎しみの感情が強くすぐ怒るしワガママ、他人の気持ちは全く気にしない、というものすごい難しい人でした。
過去に他のモラハラ男と付き合った経験のある私ですが、その二人は彼ほどまで深い闇は抱えていなかったので、オリバーのようなタイプは初めてでした。好きな映画がホラーやゾンビというのもそれらが大嫌いな私と真逆でした。
4.どんな行動に出るか読めない
モラハラ男は自分の機嫌や欲求の満たされ具合で態度が変わるため、いつどんな行動に出るか読めません。
これも彼がナルシシストとわかった今は彼の言動がある程度読めるし、その動機もわかりますが、当時もしそれを知っていたとしても、きっとこういった行動に出るだろう…という恐怖が起こるのは間違いないのでどっちにしても怖かったと思います。
今それが怖くないのはどうしたらいいかだいたい準備ができているからです。ただ、今は怖くはないけどストレス値は上がるな、って感じです。
5.ネガティブ
これも始めはそんな風に見えなかったので、ここまで強いネガティブマインドを持っていると知って恐怖でした。むしろ生きるエネルギーがネガティブな思いから来てるんじゃないかというくらい何か凄まじいものを感じました。
自分を捨てた親、というより自分を虐待した祖父母への憎しみ、誰とも心の繋がりを持てない怒り・・深く付き合わないときっとここまでか…というのはわからなかったと思います。
これは相談相手になってくれていたオリバーの幼馴染の母も知らないと思います。
6.家に金属バットが置いてある
彼の家に住み始めてすぐに、彼がベッドの下に隠してある金属バットのことを伝えてきました。
これは私を脅すためじゃなく防犯のためだったんですが、オリバーが物に当たったりしたあたりから、いつかこの金属バットが私に使われる時が来るんじゃないか…というのは常に恐怖でした。銃を持ってるのも怖いですが、大男の金属バットも相当怖いです。
7.貴重品が彼の家にあり、自分の部屋がない
これも私にとって大きな恐怖の一つでした。パスポートもお金もその他重要書類も服もジュエリーも全てオリバーの家の中です。万が一それらを捨てられたり燃やされたりしたらどうしよう…と彼の行動にビクビクしていました。
しかもオリバーは自分には鍵付きの部屋を用意しているのに、私には部屋がありませんでした。もともと彼は一人で住むために設計を変えて壁を取り除いていたので、用意する部屋がなかったのもありますが、いざとなっても閉じこもる場所がないってことは、私の行動は筒抜け状態です。
オリバーは好きな時にいつでも私をチェックでき、自分がこっそり何かをしたいときは自分の部屋に閉じこもる、という状態だったので、私がこっそり誰かに連絡したりネットで検索したりがしにくかったのです。
8.滅多に笑わない
笑う時は皮肉るとき、が普通のオリバー。彼が笑うのは、ターゲット以外の人に対してだけでした。みなさんもご存知のように、モラハラ男は自分が良い人だと思われたいがために外面はとても良いのです。
これは、モラハラ対象者以外のすべての人に対してですが、もしもその人たちが自分の批判をした場合はたちまち彼らはモラハラ男の敵となるため、もう笑うことはありません。
私といる時には無表情か裁判官のような顔をしていたこと、この表情も怖かったですが、これが他人となると全く違う表情を見せるのも怖かったですね。このモラハラ男の独特な表情の変化は、ターゲットになった人しかわからないはずです。
9.なんでもできる人だと思っていた
退役軍人であること、投資物件を持っていたことなど人生設計がしっかりしていたことや、自分の家をデザインしたと言っていたこと、家の温度がどう変わるかとか細かい事、水道代を節約する方法、など…なんでも完璧にするし、したい人だと思い込んでいました。
これがなぜ怖いのかというと、それを基準に私に同じレベルを求めるからです。
自分の興味がないことには大雑把で、自分が重要だと思うことだけ細かい…要するにこれもナルシシスト独特の自分ルールだっただけですが、それを破ると怒り出す…でもそのルールは彼のルールなので他人にはわからない…
何でもできる上にここは彼が育ったアメリカ、そして私は細かいことは気にしないし日本で育った外国人、だから何かあると、私がテキトーな性格してるからダメなんだ…と思ってしまっていました。
10.時々意味不明な(気持ち悪い)行動を取る
ある時、ケンカしたあと、私が子供と一緒に出掛けようと車に乗った後で忘れものに気づいて取りに行ったとき、さっきまでついていた部屋の電気が全て消えていました。
アレ、30秒くらい前までついてたのに…オリバーもいるはずなのに…、と思っていると、暗闇の中でなぜか壁に立ってじっとしているオリバーを発見。「うわッ!!」と言いかけましたが怖かったのでそのまま家をでました。
他にも、無言で立ったまま私を見つめている…など今はわかる行動ですが、当時は気持ち悪くて仕方なかったです。
11.脅す
月日が経つとともに脅しが具体的になっていきました。セリフの中で当時一番怖かったのは、「オレの許可なしに国に帰らせない」「娘はオレが見る、おまえは働きに出ろ」「おまえは追い出したい」と言った娘と離れ離れにさせようとするセリフ。
他にも数々の脅し。扉をバンバン閉めたり車を殴りつけたり、ゆっくりと歩いて近づいてくる、唾をはく、首をしめるような手つきで迫ってくる…などがありました。
12.ビザが2年の期限付き
結婚2年経つ前に入国したのでビザが期限付き。これは相当怖かったです。何と言っても移民は弱い立場。ビザの切り替えは通常夫がサポートしてくれますが、それでも100%安全なわけではないのに、私の夫は協力しないだろう…と思うと常に彼の機嫌を損ねないようにするしかなく恐怖でした。
もちろん夫が同意すれば日本に帰国できますが、しない場合日本はハーグ条約に加盟しているので勝手に子連れ帰国できません。せめてビザ更新するまでは大人しくしていなければ…と必死でした。
13.すぐにキレる(短気)
モラハラ男はすぐ怒ります。どうしてすぐ怒るのかというと、モラハラ男は自分の独自ルールに相手が従うことを期待しますが、相手にも独自の考えがあるのでモラハラ男のいう通りにならないことがよく起こるからです。自分の思い通りにならないとすぐにイライラをいろんな形でぶつけてくるので、次は何がくるか…といつもヒヤヒヤしていないといけませんでした。
14.死ぬのは怖くないと言っていた
実際はもし火事になったら自分だけ逃げるタイプだと思いますが、当時はこのセリフを言われたときに、ネガティブで憎しみにまみれた性格、いつもホラー映画ばっかり見ているところから本当に死ぬのは怖くないんだと思っていました。
子供が生まれたばかりのときに、「おれは60歳くらいで死んでもいいと思ってる」と言ってたくらいなので生きることに対するモチベーションは強くないと思いますが、いざと言う時きっと自分を守るだろうなっていうのは、前に書いたサソリとカエルの話からです。
15.娘と離れ離れにさせられる可能性
モラハラを受けていた間、娘は父親に近づこうとせず、父親が近づくと大声で泣いて嫌がりました。そんな状態だったにも関わらず私と娘をチャンスがあれば引き離したいと考えていたオリバーは、あらゆる手を使おうとコソコソ行動していました。
私は、アメリカでは共同親権が一般的であることに絶望していて、「子供が親と一緒にいるのが利益と考えられてるってことはこの人が娘から嫌われてても簡単には離れられないんだ…ってことはもし移民の私が国を追い出されることがあったら離れ離れになってしまうかも…、オリバーの機嫌を損ねたら、彼は全力で親権を取りにいくかもしれない…」と思って当時はものすごくビビっていました。
16.身体的暴力になった場合どうすれば良いかわからない
警察を呼べばいいのはわかるけど、その後どうしよう…っていうのがわからなかったので身体的暴力はなんとか避けたいと思っていました。
自分の部屋がなく、行動が筒抜けだったことから暴力があったら…というリサーチが気軽にできなかったこと、それよりビザどうしよう、仕事しなきゃ、の方が優先だったので余計後回しになって時間が経っていきました。
万が一知らない方のために…。アメリカでモラハラを含め暴力にあった場合、このホットラインにアクセスすれば助けを求められます。だいたい加害者が監視してたりするので、彼らが近づいてきたらすぐに「X」のexitをクリックすると全く別の画面に切り替えてくれます。←この配慮、とても有り難いですよね。
電話できなくてもチャットでのサポートもあります。
17.精神的暴力をどこに相談すれば良いかわからない
身体的暴力があったら警察に電話して、シェルターに入ればいい、まではわかったけど、じゃあ精神的暴力だけだった場合はどこに相談すればいいの?がわからなかったので、モラハラがエスカレートしていくのがとても怖かったです。
実際にモラハラも暴力なのでホットラインに助けを求めればいいんですが、当時の私は「これってモラハラ?」というレベル。精神的暴力じゃあ口頭で適当にあしらわれて終わりじゃないかと思ってたので、「モラハラを受け続けても殴られたりしなきゃ誰も助けてくれない」という間違った認識で怯えてました。
18.完璧主義
オリバーの完璧主義は「この人はなんでもできる人」と私に思い込ませたこともあり、完璧主義な人が苦手だった私には恐怖でした。
実際は単に自分の拘ることだけにやたらと細かい男だっただけですが、「棚の缶詰の位置を変えたら怒られるかも…」と思うようになり、どんどん恐怖に変わっていきました。実際に棚のどこに何を置くかは彼が指定してきたり、「ここにこれを置くな」と言って来たことも何度もあります。
このモラハラ男ナルシシストと一緒にいると「obsessive compulsive disorder(OCD:強迫性障害)」になることがあると言われます。私は幸いならずに済みましたが、これもこういう彼らの独自の厳しいルールに従わされることが影響しています。
(ちなみにオリバーは自分の部屋は物が散乱してめちゃくちゃ汚かったです)
19.嘘つき
これも怖いです。どうしてかというとモラハラ男のナルシシストは「平気で何度も嘘をつく」からです。これがガスライティングの一部とは当時全く知らなかったことや彼らは嘘をつくのが普通、というのを知らなかったので、平気で嘘がつけるってことだけでも「精神がおかしいんじゃないか」と私を混乱させました。
当時この嘘について知ってたらもっと動揺しないでいられたと思います。どっちにしても病的嘘つきと一緒にいるのは精神的には全然よくありません。この嘘も私の相談相手の人たちは全く知らなかったし、むしろオリバーの言うことを信じていたと思います。
20.幼い子供に危害が及ぶのが怖い
どんな行動に出るかわからない男、それに加えて娘はオリバーが近づくとギャン泣きしたり、彼が帰ってくると私のところに走って逃げてきていたので私はオリバーがそのうちキレて娘に暴力をふるうかもしれない…と怯えていました。
幼い子供が一度でも投げ飛ばされたら大変なことになる…これは自分が暴力を受けるよりもずっと怖かったです。
21.人間と思えない
ナルシシストは治らない人格障害で共感しないこともあり、普通はしないことをするので同じ人間とは思えないようなことがあります。壊れた人間だと言われてますがその通りで、どっかの大事な神経が切れてたりするよね…?と私は思ってました。話は通じない、完璧主義と思ったらだらしない、何度も言ってたことを全然やらない、全ての責任を他人に押し付ける…まぁもう芯が通ってなくてめちゃくちゃです。
同じ人間と思えない「人間に見える物体」に対してよくわからない恐怖が湧いてました。
これは相談相手にはなかなか伝わらない部分かもしれません。
22.監視している
オリバーは私の行動を観察、そして監視していました。
気持ち悪いことに、私が娘を連れて散歩にでかけると玄関の隙間の窓からチラリとのぞき、家からみえなくなるまでカーテンの陰から私たちをじっと見ていました。(私は後でそれを知った)
これもモラハラネタにするため、そして普通の人間の行動から感情的反応を学ぶためだってことを知ったので今となっては納得の行動ですが、当時はめちゃくちゃ気持ち悪いし怖かったです。
その後、「おまえの会話を録音している」「この家には監視カメラがある」など言ってきて、当時はそれは脅しだと思ってましたが今はたぶんやってただろうな、と思います。
それは、離婚時に自分に有利に物事を進めるためとフライングモンキーを作る目的だったはずです。
23.他人はなかなか理解できない
オリバーは全く知らない人たちから見れば、落ち着いて堅実、ボランティアをするし良い父親、感じも良いし頼れる、って感じだと思います。
実際、散々モラハラを受けた私がその記録をつけてなかったら「あの人本当はそこまで悪いヤツでもないのかも」と思いそうになってしまうくらいなのでモラハラターゲット以外の人はきっとオリバーに悪い印象は持たないはずです。
これが怖いです。なぜかって言うと自分の味方をしてくれてた人が上に書いているフライングモンキーになっちゃうからです。当時、相談相手に「明らかにわかってないよな…」と感じたのもこのモラハラの本当の怖さだと思います。
私の友人はすごくわかってくれた!という人もいるかもしれませんが、私は完全に理解してもらうのは無理だと思っています。
現実、私から度々詳細を聞いていた相談相手は彼を「嫌な奴」「バカ野郎」「そんなこと言うべきじゃない」と言っていましたが、オリバー側の人たちだったため、結局フライングモンキーになってしまいました。
親戚の女性からは最終的に「どっちが本当のこと言ってるのかわからない」と言われてしまったのです。
モラハラは受けた人じゃないとそのダメージが伝わりにくいのです。それもモラハラ男ナルシシストがそのための「外出用の仮面」を持ってるからです。
モラハラ男が怖くなくなった理由
この気持ち悪くて意地悪なオリバーが怖くなくなった理由は二つです。
一緒に住んでいると、モラハラ男はありとあらゆる手を使ってモラハラを繰り返します。
もちろん離婚してからも子供がいれば彼の態度は同じですが、そこから一歩上に行けたのは「彼の正体を知った」ことでした。
この人たちは一度正体を知れば簡単な人たちで今までの謎はすぐに解けます。いろんなパターンがあるのは、私も過去のモラハラ男たちのタイプが違っているので知っていますが、同じような嫌がらせでも先に「こう来るな」とわかっているのと「どんな行動にでるかわかんない」とでは怖さが全然違います。
知識…に関してはこういう時はどこに相談してとか法律がどうなってるとかいうのもありますが、他の生活知識とか学校のシステムとか生活ベースができて落ち着いたという意味です。離婚は知識だ、と言われますが、モラハラ男に対しても知識は力なり、です。もちろんまだ知らないことだらけなので生涯勉強ですが…(*^^*)
まとめ
モラハラ男が怖かった主な理由は
「どんな行動にでるかわからない正体不明の男」
「移民という立場」
でした。
外国でモラハラに遭う一番の恐怖は移民と言う立場だと思います。文化の違い・法律の違い・味方が少ない・知らないことが多いなどいろんな不利な点があります。
そこに来て、意味不明なことを言い、突然怒り出す、最も難しいタイプの人間と言われるナルシシストからの嫌がらせ。
いったい何の天罰だ…って嘆きたくなりますが、今はこの経験で自分のためになったこともたくさんあるなと気づきました。
異国に住んでなくてもモラハラは最悪です。今回の記事がモラハラで悩んでいる方たちにちょっとでも参考になれば幸いです。
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