みなさんこんにちは。アメリ子です。私にはどうしても納得いかないことがあります。
それは男性誌の中にナルシスト(ナルシシスト)に対して肯定的な書き方をしている記事をたまに見かけることです。
ナルシシストの対処法やら子育てどうする?と言う前に、「ナルシストってそんなに悪くないかも?」と思っている人たちがいるとしたらモラハラ撲滅へのとんでもない障害になるんじゃ…と思っています。
今回たまたま見つけた記事の中に、「ナルシスト的な人格の人」と「自己愛性パーソナリティー障害のある人」には違いがある、とあったのでとても興味津々で読んでみました。が、この内容、今アメリカで学んでいるナルシシスト、ナルシシズムの内容とズレが…。しかも、その記事を読んでも納得いかないどころか意味がわかりませんでした。
取材されてるようなのでその記事を批判するつもりは全くありませんが、やっぱりナルシシスト(ナルシスト)から精神を破壊されかけた自分としては同じような人を増やしたくないので、この記事で語られているナルシストについて少し意見を言わせてもらいたいなと思います。
ナルシストと自己愛性人格障害
男性誌にはこういった説明がされていました。(一部抜粋)
ナルシストの傾向がある人と、自己愛性パーソナリティ障害がある人には違いがあるため、ちょっと注意が必要となります。膨らみすぎてしまった自尊心に悩む前者と比較して、NPDの人はアイデンティティが安定しないために苦労するケースが多くなっています。
ンムム…??途中から意味がわからん…。
ナルシストの傾向がある人と自己愛性パーソナリティ障害がある人には違いがある…
これは、下記に言葉の意味をまとめてますが、自己愛性パーソナリティ障害(NPD)と診断された人はナルシストで、診断されないのは単なるナルシストの傾向がある人、ということだと思いますが、これはその通りですよね。
☆ここからは少し表現方法の補足ですが…
ナルシスト本人は自分がナルシストと思っていないことがほとんどなので、自分から診断を仰ぐことはなく、そうなると一生NPDかどうかはわかりません。そして、専門家じゃない人が相手をNPDと勝手に診断して呼んではいけないので、いくらNPDの特徴に全部当てはまってても「ナルシスト的な人格の人」っていわなきゃいけないことになります。
細かいこと言ったら、私の元夫はNPDの特徴のほぼ全て当てはまっているんですが、本人は絶対に自分がナルシシストとは思っていないし、診断を受けることも一生ないと思うので、私は彼の事を本来は「ナルシスト的な人格の人」と言わなきゃいけないことになると思います。
ってナルシシストは言います。 image
でも、明らかにNPDの特徴を見せていて、散々彼から精神的虐待を受けてきたのにいちいち「ナルシスト的な人格の元夫」と表記するのは正直めんどくさいのでナルシスト(ナルシシスト)と呼んでます。アメリカでもナルシシスト的な人格の夫といちいち言う人はいません。NarcissistかNarcとかNEXとかです。
ここは私のつぶやきですが、モラハラで他人を苦しめ続けた奴に「人を人格障害呼ばわりして、おまえは酷い人間だ!それこそモラハラだ!」とか言われたら「黙れ!どの口が言う?”(-“”-)”」ですよ。被害者モードやめろ!と言いたいです。
このブログを読んでくださってる方の中にも、「うちも結構当てはまる」「私の彼氏は当てはまるのは3つくらいかなぁ」といろいろじゃないかと思います。それは、ナルシシズムの強さによるのだと思います。
両者の違い
ナルシストの傾向がある人…膨らみすぎてしまった自尊心に悩む前者
NPDの人…アイデンティティが安定しないために苦労する
とあります。これを見ると、ナルシストの傾向がある人は自尊心が強すぎる自分が大好きな人、NPDは自分って何なのかわかってない人、って感じがします。もっというと、自尊心が強い人と弱い人っていう感じにも取れる気がします。
これを説明しているのは、マイアミの有資格心理療法士のホイットニー・ホーキンスさんという方だそうです。調べてみましたが人格障害のエキスパートというわけではなさそうです。
記事からはナルシストの傾向がある人なら、自尊心が高いからいいけど、NPDは大変だって感じがしたんですが、そうじゃなく、両者はナルシシズムの強さの違いだけだと思います。
実際にナルシシストエキスパートのドゥルバスラ博士は「健康的なナルシシズムなんてないと思います」と言い切ってますし、自分はナルシシスト的人格のサイコパスだという人は、ナルシシズムの強さで態度が変わると言ってます。虐待の度合いはナルシシズムの度合いとも関連してるってことではないかと思います。
ナルシストという言葉
ナルシストと自己愛性人格障害について考える時に、もう何度も思ってますが、いろんな状況にいろんな名前がついているの、ややこしいのでもう少しシンプルにして欲しいって思いませんか?
まず、ナルシストという言葉はギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに由来していますが、じゃあナルシストってギリシャ語なの?と思ったらオランダ語なんですよね。(-_-;)
ちなみにギリシャ語だと「ναρκισσιστής」でナルキシスティスと発音するそうです。
ギリシャ神話のナルキッソスからオランダ語のナルシストを経由して日本でナルシストと呼ばれるようになったいきさつは置いておいて、ナルシストとナルシシストは同じ意味です。
ナルシシストは英語の『Narcissist』のことですが、発音的には「ナーシシスト」です。でもナーシシストと表記したらますます「ナルシストとナーシシストって同じなの?違うの?どっちなの”(-“”-)”!」ってよくわからなくなりますよね、きっと。
自己愛性人格障害
自己愛性人格障害は自己愛性パーソナリティー障害とも言われ、10種類ある人格障害の中でCluster B Personality Disorders(B群パーソナリティ障害)に分類される人格障害です。
これは「Narcissistic Personality Disorder」の日本語訳ですが、Narcissistic Personality DisorderはNPDとも表記されます。
つまり、
Narcissistic Personality Disorder=NPD=自己愛性人格障害=自己愛性パーソナリティー障害ってことですね。(-_-;)
一番簡単なのでNPDと表記させてもらうと、このNPDはアメリカ精神医学会の精神障害の診断と統計マニュアル 第5版(DSM-5)に記載されている9項目のうち、5項目以上が当てはまるとNPDと診断されるということです。
重複するので、どんな内容かはこちらをご覧いただければと思います。
名前からもわかりますが、ナルシシスト的な人格障害を持っているからナルシシストって呼ばれるわけです。このうち3つしか当てはまらないからNPDじゃないなと思っても、その傾向はあるのでナルシシスト的な人格、となります。そうすると自尊心が高すぎとそうじゃないっていう上記の記事の説明って矛盾しますよね。
NPDは若い世代に現れる傾向がある
とんでもない。年取ったら酷くなります…。(もう見た目やらで称賛を浴びることもなくなるし…) image
この記事の中に、NPDは若い世代に現れるとあります。でもこれだけだと、年取ったら良くなる???なんて希望を持ってしまいそうなので、これももう少し補足すべきじゃないかなぁと思います。
若い世代に現れるっていう理由は、幼少期の育ちなどが共感力のなさや不安定さや自尊心の欠如などに繋がっていくことに加えて、脳が完成するのが20代半ばだからということのようです。
だから幼馴染と結婚したら20代前半は良い人だったのに、後半になってだんだんモラハラが始まって嫌な奴になっていったとか起こるんじゃないかと思います。
この場合は、もしかしたらlove bombingの期間が長くなるかもしれないですね。
これに関連して、万が一子供が親のNPDに気づいて「お父さんナルシストじゃない?」と言ったとしても、20代前半までは「そうなのよ!わかってくれた?だからモラハラするのよ!」なんて言ってしまってはいけないそうです。それは自分が子供にモラハラをしてしまうことになるから。
脳が完成した20代後半になっていれば、そういう話を子供がしてきた場合には、話してもいいとのこと。
まとめ
ナルシストの傾向がある人とNPDの人に違いがある、、っていうのはよくわかりませんでしたが、ナルシストの傾向がある人が自尊心が強すぎるっていうのは違うと思います。
自尊心が強い方が仕事で優秀な成績を収められるから少しくらいナルシスト的になった方が良いと説明している記事も過去に見たことがありますが、それも全くとんちんかんな話だと思います。
自尊心を高めるのにナルシストになる必要なんてないし、ナルシストじゃない普通の人でも自尊心が高い人はたくさんいますよね。そもそもありのままの姿の自分が好きになれないのがナルシストな訳なので、自尊心を強めるためにナルシスト的になる、だと完全に矛盾しているんじゃないかと思います。
NPDの特徴の中に、過剰な賛美を期待するとか、他人を嫉妬する、とかあって、これを「誰でも多少あるよね」という意味で全ての人がナルシスト的なところがあるとしたら「健康的レベルのナルシシズムが存在する」っていえるのかもしれませんが、ナルシシズム自体がが自己中で特権意識が強くて共感しない…っていう既に普通レベルじゃないことを指すので、やっぱり健康的レベルのナルシシズムなんて存在しないんじゃないかなと思います。
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