前々から気になってることですが、モラハラ被害者の中に『うちのモラ夫はアスペルガー症候群』という人がよくいます。私も始めは私が受けたようなモラハラってアスペルガー症候群からくるものもあるのかな?と思ってたんですがセミナー受けたり精神科医の先生の解説を聞いて考えが変わりました。
アメリカ、というより英語圏だとアスペルガーじゃなくてADHDだと思っているって人の方が多いみたいですね。でもこれについても専門家の先生が『そういう人いるけど違うと思うわ』と言ってます。
そこで
アスペルガー症候群とナルシシズムの違い
本当にアスペルガー症候群?
アスペルガー症候群と勘違いしたとき起きること
について、まとめておきたいと思います。
※ナルシシスト=ナルシスト
アスペルガー症候群とナルシシズムの違い
アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム症(ASD)の一種で、医師には「高機能」タイプのASDと呼ばれているそうです。知的能力の発達に遅れはなく、ASDの中で重症度が低いためです。
2013年に更新されたDSM-5ではアスペルガー症候群という名前はなくなり、自閉症スペクトラム症となっています。
そして、アスペルガー症候群(というか自閉症スペクトラム症)もナルシシズムもスペクトラムです。軽度~重度があって、それによって症状も違うってことですね。
モラハラをする、という点だけみればとっても似ているアスペルガー症候群と自己愛性人格障害のナルシスト。
この二つはとても似ていますが、『全く異なる原因によって引き起こされ、全く違うものである』とアスペルガー症候群専門の心理学者ケネス・ロバーソン博士は言っています。
この両者の決定的な違いは、
アスペルガー症候群…自分が相手を傷つけてると気づいてない
ナルシスト…相手を傷つけようがお構いなし
というところです。
ロバ―ソン博士は自覚のあるなし、と挙げてますがもっとわかりやすいのは下記のリストにもあるこれだと思います。
アスペルガー症候群…他人に責任をなすりつけない
ナルシスト…他人に責任をなすりつける
ナルシストはとにかく他人や環境・状況のせいにします。万が一認めるとしたら認めても自分が不利にならない時だけです。
違いをまとめると…
アスペルガー症候群:敏感じゃない
ナルシスト:無神経
アスペルガー症候群:人のせいにするようなことはない
ナルシスト:衝動的(強迫的)に他人を責める
アスペルガー症候群:共感力はあるがそれを示すことができない
ナルシスト:共感力に欠ける。意図的に他人を傷つける
アスペルガー症候群:構造・予測可能性・秩序を求める
ナルシスト:混乱や無秩序を生きがいにする
アスペルガー症候群:社会的相互作用を理解していない(コミュニケーションが苦手)
ナルシスト:他人をコントロールしようとする
アスペルガー症候群:制限を受け入れられる
ナルシスト:制限を受け入れない
アスペルガー症候群:社会的意識の欠如
ナルシスト:他者への思いやりの欠如
アスペルガー症候群:発達障害
ナルシスト:人格障害(パーソナリティ障害)
それぞれの特徴は…
「対人関係の障害」…相手の気持ち、その場の空気や社会の暗黙のルールを理解していないので人間関係でトラブルが起きやすい。自己中心的な行動をとる。
「コミュニケーションの障害」…回りくどい話し方をしたり、独特な言葉を使ったり、抑揚のない話し方をする。含みのある言葉を理解せずそのまま受け取る。お世辞や皮肉、冗談を理解できない、会話についていけない。
「パターン化した興味や活動」…同じ行動を何度も繰り返したり、決められたスケジュールや手順に拘るため、予想外のことが起きるとパニックになることがある。他人への興味が薄い。
私は身近にナルシスト(ナルシシスト)とアスペルガー症候群がいます。どちらも正式な診断はないですが、完全に両者の特徴を表してる人たちです。この二人、全然違います。
ちなみにナルシストとアスペルガー症候群の人が二人きりになったのを見たこともありますが、どうなったかというと、まったくコミュニケーションが取れず、距離を置いて歩いていました。
二人とも共通する趣味があるにも関わらず、です。
ただ、ナルシストの方はアスペルガー症候群の人に自分と似たところを見たせいか、とても気に入ったようでした。
ナルシスト(NPD)がアスペルガー症候群と誤診されることがある
上記のように比べてみると全然違うんですが『相手の気持ちを傷つける』っていう意味では両方ともモラハラ加害者です。
ただ気になるのは、『ナルシストなのにアスペルガー症候群と診断されることがある』ことです。
これはアメリカでも言われてますし、日本の精神科医の先生が『パーソナリティ障害と診断するのはとても難しいのでまずは(症状から考えられる)別の病名と診断する場合がある』ってことをおっしゃってたり…など、よくあることなんだそうです。
もしもナルシストをアスペルガー症候群と診断されてしまったら…
万が一ナルシストをアスペルガー症候群と診断されてしまった場合、その後が大変です。
なぜなら、アスペルガー症候群は自分がこんなこと言ったら相手が傷つくってことを知らないので、周りがそれを優しく指摘することで自覚することができる一方で、ナルシストは相手が傷つくことを気にしないので、周りが指摘すれば怒りで返してくるからです。
つまり、アスペルガー症候群は症状の改善が見込めるけど、ナルシストは症状の改善は見込めません。
誤診に気付かないままだった場合、相手のためを思って注意したことでさらなるモラハラを受けることになり、自分をますます追い込んでしまう可能性があります。
同じ行動をとっても全然違う反応が返ってくる可能性大です。
まとめ
モラハラ加害者が『アスペルガー症候群』だという声をよく聞きます。
今はアスペルガー症候群という診断名はなくなっているので自閉症スペクトラム症(ASD)かADHDか、その両方っていう方が多いかもしれません。
でももしもモラハラをしてくる人が『他人を傷つけようが全然気にしなくて』『責任をいつも他人になすりつける』人、そしてなんでもコントロールしたがるなんてところがあったら、それはナルシシズムからくるものかもしれません。
自閉症スペクトラム症(アスペルガー症候群)は発達障害で、ナルシストは人格障害(パーソナリティ障害)です。どちらもスペクトラムで、軽度~重度という度合いによって症状も変わります。
万が一アスペルガーと思っていたらナルシストだった、という場合、相手の症状は改善することなく、改善させたいと努力するとさらなるモラハラに発展する場合があるので危険です。
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